研究概要 |
既に、平成11年の研究実績報告書において記したように、自然公園における肢体不自由者に対応した3段階のレベル別に(肢体不自由者が一人で利用可能,介助者を伴って利用可能,利用困難)整備基準を提案している。提案した整備基準の留意項目は以下の14項目である。[1]幅員、[2]縦断勾配、[3]横断勾配、[4]路面、[5]排水施設、[6]路線距離、[7]段差、[8]手すり、[9]平坦部分の確保、[10]立上がり、[11]車止め、[12]防護柵、[13]縁石等のすりつけ、[14]その他(線形) 平成12年度の調査では、八ヶ岳中信高原国定公園霧ヶ峰地区において肢体不自由者に対応した歩道整備の状況を明らかにするため、霧ケ峰集団施設地区を現地調査した。調査方法は自然公園における肢体不自由者に対応した歩道の整備基準(上記[1]〜[14])の項目に従い、対象地域全域を10m間隔調査区に分け、全地域にいて調査を行った。なお、手すり、立ち上がり、防護柵に関しては車椅子が落下する恐れのある場所がないため調査項目から除外した。 その結果、幅員、縦断勾配、横断勾配に関しては利用困難な場所はなく、この点ではほとんどの遊歩道は介助者を伴えば利用可能である。ただし、平坦部分は未設置であり、利用が困難な場所もある。車椅子対応トイレは、2個所ある駐車場の両方に整備されており比較的良好な状況であった。今後、この成果をもとに、障害者(肢体不自由者、視覚障害者、内部機能障害者)対応の自然公園利用マップを作成し、研究成果を霧ヶ峰地区の利用者に還元する。
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