研究概要 |
1.ロベリア属および近縁属植物の再分化条件などの検討:Lobelia erinusについて,長期継代カルスでは再分化能が失われていたため,新たにカルスを誘導した結果,少なくとも誘導後1年間は再分化能が維持されていることが確認された.また,Lob.loochoensisとPratia puberulaについては再分化条件が明らかになったが,Lob.chinensisについては,カルス誘導条件も確立できなかった. 2.培養細胞由来および葉肉由来プロトプラストの効率的な培養条件の検討:Lob.erinusについて,再分化能が確認された新規誘導培養細胞を用い,プロトプラスト培養条件の検討を行った結果,浸透圧調整剤として0.1M sucroseと0.5M mannitolを組み合わせ,1〜5mg/l Picloramと0.5mg/l BAを添加した培養液を用い,Gelrite包埋培養法を用い,1〜2×10^5個/mlの培養密度で培養することによって,効率的にコロニー形成が観察されることが明らかになった.形成されたコロニーからの再分化を試みた結果,現時点でグリーンスポットが形成されており,shootが形成される可能性が高いと考えられる.また,葉肉細胞由来プロトプラストについても同様に培養を行ったが,コロニー形成頻度は低かった. 3.子房・胚珠培養法の検討:再度,Lob.erinusとLaurentia axillrisを用い,相互交配を行い,子房培養を行った結果,Lob.erinusを子房親とした場合は子房壁由来のshootのみが形成されたが,Lau.axillrisを子房親とした場合は胚珠由来のshootが得られた.これらのshootの葉形態は,Lau.axillrisに比べ,やや丸みを帯びていたが,雑種性の確認については現在準備中である.
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