1.体細胞雑種におけるRAPD分析 ナス近縁野生種Solanum toxicariumとSolanum sisymbriifoliumとの体細胞雑種植物を約20個体作出し、その雑種性確認のためRAPD(Random Amplified Polymorphic DNA)分析を行った。若葉からCTAB法に従って抽出した全DNAを鋳型として12merのランダムプライマーおよびTth DNAポリメラーゼを用いてPCR(Polymerase chain reaction)を遺伝子増幅装置を用いて行った。尚、反応は94℃30秒、40℃2分、72℃3分を45反復し、更に72℃で7分保温した。PCR増幅産物については、RAPDによるDNA分析を行った後、トランスイルミネーターで観察した。 結果は以下の通りである。 (1)検索に用いたプライマー数は46種、その内雑種識別可能なプライマー数は29種であった。 (2)種特異的なバンド数はSolanum toxicariumが57本、Solanum sisymbriifoliumが52本であった。体細胞雑種植物において、Solanum toxicriumの種特異的な57本のバンドは全て保持されていたが、Solanum sisymbriifoliumの種特異的バンドは52本中51本と殆ど脱落し、1本しか検出できなかった。 この結果は、体細胞雑種と同定した20個体で全て同じ結果となった。 2.体細胞雑種の染色体数 染色体数はSolanum toxicarium、Solanum sisymbriifolium共に2n=24であるが、RAPD分析で体細胞雑種と確認された植物は24本、48本の2種が確認された。
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