研究課題/領域番号 |
11760036
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
豊田 和弘 岡山大学, 農学部, 助手 (50294442)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 植物病原菌 / 防御応答 / シグナル伝達 / エリシター / サプレッサー / 細胞壁 / 原形質膜 / エンドウ / エンドウ褐紋病菌 / 宿主特異性 |
研究概要 |
植物-病原菌の相互作用における宿主特異性決定機構の解明は、自他識別という生命現象の根幹に迫りうる課題であり、幾多の応用的価値を秘めている。植物の感染病をモデルとすれば、感染の成立(罹病化)、または拒絶(抵抗化)が特異性決定の指標となる。これまでに、エンドウー褐紋病菌Mycosphaerella pinodesをモデルとして、病原菌に対する認識は先ず宿主の細胞壁で行われ、下流の原形質膜シグナル伝達系が制御されていることが次第に明らかとなってきた。そこで、本研究では、細胞壁における病原菌認識と、これに引き続く情報伝達の流れを明らかにすることを目的とした。すなわち、エンドウ細胞壁ならびに原形質膜可溶化タンパク質から病原菌シグナル物質(サプレッサー、エリシター)に対して応答する分子(酵素活性)を探索し、エンドウcDNAライブラリーからそれらのクローニングを行った。一方、大腸菌で発現させた組み換えタンパク質を抗原としてポリクローナル抗体を作製するとともに、ビオチン標識、またはそれらを固相化したアフィニティーゲル担体を作製し、シグナル伝達系における相互作用分子の探索を進めた。この結果、原形質膜シグナル伝達系を構成するリピッドキナーゼ(組み換えタンパク質)を直接リン酸化する原形質膜タンパク質の存在が明らかとなった。また、分離原形質膜におけるリピッドキナーゼはエリシターで活性化し、逆にサプレッサーやタンパク質リン酸化酵素阻害剤の存在下には著しく抑制されたことから、本リン酸化酵素は原形質膜から細胞内部への情報伝達に深く関与しているものと推定された。現在、本酵素の上流で働くタンパク質の精製・解析を進めてる。
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