研究課題/領域番号 |
11760042
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
早川 俊彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60261492)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アンモニア / イネ / 窒素転流 / NADH依存性グルタミン酸合成酵素 |
研究概要 |
1.イネNADH-GOGATcDNAをアンチセンス方向で導入したイネ形質転換体の解析 イネNADH-GOGATcDNAを35Sプロモーターの下流にアンチセンス方向に繋いだキメラ遺伝子を導入した日本型イネ(ササニシキ)形質転換体について、導入遺伝子が1コピーのホモ後代T3世代を選抜した。このホモ系統後代においては、野生型と比較して、NADH-GOGATタンパク質含量が顕著に減少していた。また、同系統においては、茎数の減少や主桿の穂における穎果数の増加及び千粒重と穎果1粒当たりの窒素含量の低下が認められた。さらに、同系統においては、師管液中のグルタミン濃度が高い傾向も認められた。 2.イネNADH-GOGATcDNAをセンス方向で導入したイネ形質転換体の解析 イネNADH-GOGATプロモーターの下流に同遺伝子cDNAをセンス方向に連結したキメラ遺伝子を導入したインド型イネ(カサラス)形質転換体の当代を作出した。野生型と比較して、NADH-GOGAT活性と同タンパク質含量が最大で80%増大した系統や80%以上減少した形質転換体群が得られた。これらの形質転換体群では、野生型と比較して、NADH-GOGATmRNAの蓄積量は増加していた。NADH-GOGAT含量が増加した系統では、野生型に比べて旺盛に生育し、かつ、穂重量や千粒重が増加した。一方、NADH-GOGAT含量が減少した系統では、穂重量や千粒重ともに減少した。 以上の結果は、イネの生長中の葉や穎果において、維管束組織に局在するNADH-GOGATが、師管を介して転流して来たグルタミンをアミノ酸代謝の中心に位置するグルタミン酸へ変換しているという仮説を強く支持した。また、NADH-GOGATがイネの生産性に深く関与する酵素であることが強く示唆された。
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