研究課題/領域番号 |
11760086
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
葛山 智久 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30280952)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | isoprenoid / biosynthesis / nonmevalonate pathway / Streptomyces / kinase / cytidylyltransferase / metabolic pathway |
研究概要 |
本研究の目的は、テルペン化合物の唯一の生合成経路と信じられてきたメバロン酸経路とは全く別の未知の生合成経路、非メバロン酸経路の解明にある。具体的には、大腸菌を研究材料に用いて、非メバロン酸経路の生合成中間体である2-C-methyl-D-erythritol 4-phosphate(MEP)から、テルペン化合物の共通のユニットであるisopentenyl diphosphate(IPP)に至る経路を明らかにするために研究を行い、以下のような結果を得た。まず、大腸菌の非メバロン酸経路欠損変異株を3種類取得した。これらの変異株の欠損を相補する遺伝子として、YacM、ychB、ygbBの3つの遺伝子をクローニングした。これらの遺伝子はいずれも機能未知の遺伝子であったが、今回、我々の研究によってその機能が初めて下記のように明らかにされた。それぞれの遺伝子を大腸菌内で大量発現させ、タンパクを精製した。それぞれのタンパクを、MEPと反応させたところ、YacM遺伝子産物が、CTP存在下でMEPを未知の化合物に変換することを見出した。そこで、この反応産物を各種クロマトグラフィーで精製し、次いで、NMRとMSスペクトルを測定して、その構造を、4-(cytidine 5′-diphospho)-2-C-methyl-D-erythritol(CDP-ME)と決定した。次に、CDP-MEをychB遺伝子産物と反応させたところ、ATP存在下で未知の化合物に変換されることを見出した。その反応物を精製し構造決定を行ったところ、CDP-MEの2位の水酸基がリン酸化された化合物、2-phospho-4-(cytidine 5′-diphospho)-2-C-methyl-D-erythritol(CDP-ME2P)であることが判明した。次に、CDP-ME2PをygbB遺伝子産物と反応させたところ、2-C-methyl-D-erythritol 2,4-cyclodiphosphate(MECDP)が生成していることを見出した。以上、MEP以降の反応を3段階明らかにし、その反応を触媒する酵素をコードする遺伝子、YacM、ygbB、ychBをクローニングすることに成功した。さらに、非メバロン酸経路では、IPPとDMAPPは、それぞれ独立に生合成されることを証明した。
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