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トウモロコシにおける新たな生体防御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11760092
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物生産化学・応用有機化学
研究機関京都大学

研究代表者

石原 亨  京都大学, 農学研究科, 助手 (80281103)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードZea mays / maize / tyramine / hydroxycinnamic acid / hydroxycinnamic acid amide / defense reaction / peroxydase / defense medanism
研究概要

トウモロコシにおいてストレスが二次代謝に及ぼす影響を解析した.その結果,傷害ストレスがヒドロキシ桂皮酸類とチラミンとのアミド化合物であるp-クマロイルチラミンおよびフェルロイルチラミンの集積を誘導することが見いだされた.これらの化合物の蓄積にはヒドロキシ桂皮酸類のCoAエステルとアミンを縮合させ,アミド化合物を生成する酵素が関与すると考え,この酵素活性の検出を試みた.この酵素活性の名称はhydroxycinnamoyl-CoA:tyramine hydroxycinnamoyltransferaseとなる.この酵素活性は未処理葉にはほとんど存在せず,傷害処理によって顕著に誘導された.さらに,この酵素を部分精製し,その特徴を解析したところ,CoAエステル側ではフェルロイル-CoAとシナポイル-CoAがよい基質であり,アミン側ではチラミンに加えてトリプタミンがよい基質となった.また,化合物の集積は一過的であったため,トウモロコシにはアミド化合物の代謝機構が存在していることが示唆された.
このアミド化合物の代謝が,トウモロコシの細胞壁の強化に関与しているものと考えられたため,細胞壁の変性についても検討した.まず,傷害処理を施したトウモロコシからのプロトプラストの遊離のしやすさを測定した.その結果,傷害から時間が経過するのにしたがってプロトプラストの遊離数が減少することがわかった.したがって,傷害処理後,細胞壁がプロトプラストの遊離に用いる酵素に対して耐性を持つように変化したものと考えれる.また,蛍光顕微鏡による組織の観察の結果,傷害処理を施した葉の細胞壁には自家蛍光発する化合物が集積していることが明らかとなった.この蛍光物質はヒドロキシ桂皮酸のアミドの代謝物であるものと想定された.さらに,ヒドロキシ桂皮酸アミドの取り込みにはペルオキシダーゼが関与する可能性があるので,その活性の測定を行った.その結果,ペルオキシダーゼ活性の顕著な増加が観察された.以上の結果から,トウモロコシにおけるヒドロキシ桂皮酸アミドの誘導は細胞壁強化の強化をもたらし,生体防御に貢献しているものと推察された.

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 石原亨: "Induction of N-hydroxycinnamoyltyramine synthesis and tyramine N-hydroxycinnamoyltransferase (THT) activity by wounding in maize leaves."Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 64. 1025-1031 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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