研究課題/領域番号 |
11760098
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
竹中 麻子 山形大学, 農学部, 助教授 (40231401)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大豆タンパク質 / パラコート / 酸化ストレス / アミノ酸 / ペプチド / 抗酸化作用 |
研究概要 |
昨年度の研究により、大豆タンパク質のパラコート(PQ)酸化ストレス負荷動物に対する抗酸化作用は、大豆タンパク質中に含まれるイソフラボノイドやサポニンではなく、タンパク質自身が有する作用であることが示された。そこで今年度は、大豆タンパク質中の生体内酸化防御因子についてさらに詳細に検討を行った。1)大豆ペプチドが有する抗酸化作用について20%カゼイン(CAS)、分離大豆タンパク質(SPI)、大豆ペプチド(PEP)をそれぞれ窒素源とする食餌に0.025%PQを添加あるいは無添加した6種の実験食を14日間ラットに摂取させ、心臓からの採血、臓器の摘出を行い、血清及び肝臓、肺の各種脂質濃度と抗酸化系酵素活性の測定を行った。その結果、CAS+PQ群で見られた体重増加量・肝重量比の減少、肝臓ミトコンドリア画分のカタラーゼ活性の減少、肺の肥大は、SPI+PQ群、PEP+PQ群ではいずれも有意に抑制されていた。一連の結果から、大豆ペプチドにはSPIと同様のパラコート酸化ストレス防御効果があることが示された。2)大豆タンパク質を構成するアミノ酸パターンの有する抗酸化作用について10%カゼインにアミノ酸を添加して20%カゼインと同じアミノ酸組成とした食餌(CASAA)、同様に20%SPIと同じアミノ酸組成とした食餌(SPIAA)と20%CAS、20%SPIそれぞれの食餌に0.025%PQを添加して、1)と同様にパラコート酸化ストレスに対する効果を検討した。その結果、PQ添加による体重減少と肺肥大について、SPIAA+PQ群ではCAS+PQ群に比べて有意な改善効果が見られたが、CASAA+PQ群と比較すると有意な差が見られなかった。一連の結果から、大豆タンパク質の有するパラコート酸化ストレス防御効果の一部は、大豆タンパク質が有する特徴的な構成アミノ酸パターンによって説明できる可能性があると考えられた。一方で、CASAA食ではSPI食の有する効果を完全には再現できなかったことから、SPIの抗酸化作用発現には大豆ペプチドあるいはその他のSPI特有の成分の存在が必要であると考えられた。
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