研究課題/領域番号 |
11760113
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
徳地 直子 京都大学, 農学研究科, 助手 (60237071)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 森林生態系 / 窒素形態変化 / 独立栄養 / 従属栄養 / 炭素源 / 可水溶性有機炭素 / 微生物バイオマス |
研究概要 |
土壌中の窒素の形態変化は、従属栄養性微生物によるアンモニア化とそれに続く独立栄養性微生物による硝化作用、さらにアンモニア・硝酸の従属栄養性微生物による不動化によって生じる。これまでの研究から、これらの反応過程はエネルギー源が異なり、エネルギー源としての炭素源の有無が窒素の形態と深く関わっていると考えられた。しかし、炭素源は土壌中に多量に存在し、窒素の形態変化に寄与している画分についての情報が十分とはいえない。本年度は昨年度に続き、炭素源に関するアプローチとして、温帯より分解速度が速く、分解過程が質的に異なることが指摘されている乾燥熱帯であるタイの森林土壌を対象に、土壌を長期培養することによって、培養に伴う窒素の形態変化と土壌の炭素源との関係を調査した。この際、昨年度違いの明瞭でなかった、2N塩化カリウム抽出液中の有機態炭素画分を、可水溶性有機態炭素・炭水化物・単糖に分けて定量した。その結果、乾燥熱帯の土壌でも、乾燥のより強い乾燥落葉樹林・乾燥常緑樹林では培養開始後1週間から4週間ですべての可水溶性有機態炭素濃度は低下したが、丘陵常緑樹林では地形による違いがみられた。すなわち、斜面下部・中部では培養期間に伴い可水溶性有機態炭素は低下したが、斜面上部では培養後期に増加した。温帯の森林土壌を長期培養したこれまでの結果では培養期間中可水溶性有機態炭素は上昇し続けることが明らかになっており、丘陵常緑樹林の窒素・炭素動態がかなり温帯に近づいていることが示唆された。
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