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樹木の環境ストレス応答と葉内代謝産物の変動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11760118
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 林学
研究機関長岡工業高等専門学校

研究代表者

柴田 勝  長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (30300560)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード木本植物 / キノン / トコフェロール / アスコルビン酸 / カロチン / カロチノイド / 季節変化 / 活性酸素 / 樹木 / 抗酸化
研究概要

樹木のストレス耐性には種間差があり、どのような機能によってこの種間間が生じるのかを明らかにするために、樹木枯死の原因である活性酸素種を効率よく消去できる抗酸化物質に注目し、樹木葉内の抗酸化物質の機能及び環境ストレス、光合成阻害、抗酸化物質、活性酸素種との関係を明らかにすることを目的として研究を行った。
全樹種のクロロフィル/全カロチノイド比は一定であり、草本植物にはほとんど見られないα-カロチン(α-Car)が多くの樹種に見出された。しかし、夏季に比べ冬季での全Carに対するβ-Car比は小さく、α-Carが夏季における熱ストレスに対して有効であることが示唆された。全樹種においてカロチノイド組成はほぼ一定であり、その葉内含量の季節変化が大きいことは、樹木全般にカロチノイドによる適応機構が存在していると考えられる。対照的に葉齢と共にその比は大きくなっており、季節的なストレスと老化ストレスとは異なっていた。落葉針葉樹のアスコルビン酸(AsA)含量を測定した結果、緩やかな季節変化に対して活性酸素の消去のためにAsAが有効に働いていたが、過剰な環境変化では葉内のAsAが急激に消費され、AsA再生系が成立せず、AsAによる活性酸素の消去能力が制限されていることが示唆された。また、常緑樹葉のAsA・トコフェロール(Toc)量の季節変化から、in vivoにおいてもAsA/Toc再生系が働いていると考えられる。秋の低温馴化により、常緑樹ではToc含量が増加しチラコイド膜の過酸化が抑制されていたことから、温度ストレスによる膜の過酸化に対してTocが有効であることが示された。また、一部の抗酸化物質が輸送タンパク質により反応部位に移動することを示した。これは、環境ストレス適応樹木が葉内抗酸化物質量を変化させることにより、ストレス耐性能を獲得し、その代謝制御が葉緑体内のストロマタンパク質により行われていることを示唆している。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 柴田勝 他1名: "クロロフィル側鎖還元がクロロフィル-タンパク質複合体に与える影響について"長岡高専紀要. 35号(1). 1-5 (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 柴田勝 他2名: "ポストカラム還元法による植物キノン類の測定"長岡高専研究紀要. 第36巻(2). 53-59 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] SHIBATA S.Masaru 他5名: "Photoinhibition of Poinsettia Leaves at Chilling Temperature"Journal of Ecotechnology. 6(2). 82-83 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] SHIBATA S.Masaru 他5名: "Metabolic Response for Environmental Change in The Tree Grown in The Hokuriku Region"Journal of Ecotechnology. 6(2). 152-153 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Shibata S.Masaru 他4名: "Physiological Functions of The Change in Carotene Components in Tree Leaves"Journal of Ecotechnology. 6(2). 40-141 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Shibata S.Masaru 他4名: "α-Tocopherol Transfer Protein in Higher Plants"Journal of Ecotechnology. 6(2). 128-129 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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