研究課題/領域番号 |
11760126
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
畑 俊充 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (10243099)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 木炭 / ダイヤモンド / タマネギ型フラーレン / 透過型電子顕微鏡 / 電子エネルギー損失分光法 / スギ / ミクロフィブリル |
研究概要 |
700℃で炭化したスギ木炭中に形成された微細構造を、様々な電子顕微鏡で直接観察して解析する事に重点をおいた。 スギを小型電気炉で炭化し(目標温度700℃、昇温速度10℃/min、保持時間1hr、窒素ガス雰囲気下)、原料とした。得られたスギ木炭を、微粉末試料法(乳鉢ですりつぶしてからイソプロパノール・アルコールと混ぜた後、TEM用グリッド上に滴下させる方法)と超薄切片試料法(エポキシ樹脂で処理した後、ミクロトームで超薄切片を作製する方法)とで、電子顕微鏡観察用試料を調製した。以上の方法で得た試料を、電子エネルギー損失分光法装置およびGatanイメージングフィルターといったデジタル分析機器を備えた透過型電子顕微鏡(TEM)、高解像度透過型電子顕微鏡(HRTEM)および高解像度走査型顕微鏡(HRSEM)で観察した。 微粉末試料を電子顕微鏡で観察した結果、オニオン状炭素粒体、ダイヤモンド構造、微細空隙のような微細構造が観察された。HRTEM観察によって、オニオン状炭素粒体を観察したが、これは既に平成11年度の科学研究費補助金実績報告書で示した。今回見出したダイヤモンド構造および微細空隙は、初めての発見であり、速報としてJournal of Wood Scienceに投稿中である。 HRTEMによる観察で、ダイヤモンド構造を発見したが、回折パターンから[110]面におけるダイヤモンド構造であると確認した。500〜800℃の温度域では、特に水熱条件下において木炭などの難黒鉛化炭素は、様々な形態の炭素構造(フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノセルなど)が形成されることが明らかになりつつある。今後、木炭の構造解析の立場から、こうしたナノ炭素構造体の形成機構を検討するつもりである。
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