研究課題/領域番号 |
11760130
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高橋 計介 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80240662)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マガキ / 幼生 / 細菌性壊死症 / ビブリオ / オボグロブリン / 種苗生産 / 二枚貝 / プロテアーゼ / 大量斃死 |
研究概要 |
1.オボグロブリンの各成分の感染抑制機構の中での役割の解明 昨年度の研究で、マガキ幼生への病原性ビブリオ菌の人為感染系に対し、オボグロブリンを10μg/mLの濃度で添加した結果、無添加ビブリオ感染区の幼生の生存率は接種後24時間で0%、すなわち全部の個体が死亡したのに対し、オボグロブリン添加区では96.5%の幼生が生存するという極めて高い感染抑制効果を有することが明らかとなった。実験で用いたオボグロブリンは部分精製品で複数の成分を含むため、本年度はどの成分に感染抑制効果があるのかを調べる目的で、オボグロブリンを2種類のカラムクロマトグラフィーで分画し、各々の精製画分を単独で感染系に添加した結果、分子量72万の高分子タンパクであるオボマクログロブリンが最も感染を抑制する効果があった。しかし、その効果はプロテアーゼを主体とする培養上清の感染性は完全に抑制するものの、菌体の感染に対しては60%の抑制率であった。一方、その他の画分では単独投与での抑制作用は認められなかった。そこで、複合添加を試験した結果、ほとんどの組み合わせは効果がないか、あるいは病態を増悪したが、ミクログロブリンとマクログロブリンの組み合わせだけは菌体の感染による死亡を有意に抑制した。 2.オボグロブリン添加法の大形水槽飼育への適用条件の検討 オボマクログロブリンの感染抑制効果を効率良く発揮させるには、添加濃度は実験的に確認した10μg/mLで十分であった。しかし、添加の前に完全に溶解しておくことが必要であった。また、幼生を飼育している水槽のエアレーションを強くするとオボマクログロブリンが酸化されて効果を消失した。また、無通気にすると効果がみられず、緩やかに撹拌すること、加えて微量の糖溶液(グルコース)を添加することが重要であった。
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