研究課題/領域番号 |
11760131
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都木 靖彰 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10212002)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 硬骨魚類 / 耳石 / 内耳 / 内リンパ液 / 有機基質 / 炭酸カルシウム / バイオミネラリゼーション / 石灰化 |
研究概要 |
耳石に刻まれる日周輪やチェックリング読みとりの正確性を増し、さらなる情報を解読するためには、内耳内リンパ液の微量採取法、イオン組成測定法、耳石有機基質産生活性測定法を確立し、それらが日周輪・チェックリング形成に果す役割を解明することが必要である。 昨年度に確立した方法を用いて、ニジマスの内リンパ液のイオン組成と炭酸カルシウムアラゴナイトに対する過飽和度を求め、内リンパ液の過飽和度とpH、二酸化炭素分圧、炭酸イオン濃度、Caイオン濃度との関係を解析した。その結果、過飽和度は内リンパ液のpHに比例していることを明らかにした。このことは、内リンパ液のpHの調節により耳石成長量が調節されていることを示す。現在この成果について学術論文を執筆中である。 次に、ストレスとチェックリング形成との関係を明らかにする目的で、追い回しストレスが内リンパ液イオン組成に与える影響を調べた。短時間の追い回しストレスは血液の酸性化を引き起こしたが、内リンパ液のイオン組成、過飽和度には大きな変化がなかった。このことから、短時間のストレスはチェックリング形成の原因とならないものと結論できた。現在、繰り返しストレス、長時間のストレスの影響を調べている。 OMP-1は、我々のグループが世界に先駆けてその構造を明らかにした、耳石の可溶性有機基質であり、その成果を学術雑誌に論文として発表した(裏面参照)。また、現在OMP-1遺伝子発現量を競合PCR法を用いて調べている。 さらに、耳石有機基質の性質とその産生機構を明らかにする目的で、OMP-1の電顕的分布を調べるとともに、耳石に含まれる糖成分の解析を行った。これらの成果も学術雑誌に論文として発表した(裏面参照)。 以上の成果をまとめる目的で、耳石形成機構に関する二つの総説を学術雑誌に発表した(裏面参照)。
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