研究概要 |
今年の本研究はDNAワクチン接種後における魚類の生体防御機構のネットワークシステム解明の一貫として、ヒラメにおける免疫および生体防御遺伝子の発現についてリアルタイムPCRを行い定量的に解析した。ヒラメのIL-1,IL-1レセプター,CCケモカイン,CXCケモカイン,CXCケモカインレセプター,IL-8レセプター,TNFレセプター1,TNFレセプター2,TNFスーパーファミリー,Fasリガンド,IgD,IgM,MHCクラス1α,MHCクラス1,MHCクラス2α,MHCクラス2β,TCRα,TCRβC1,TCRβC2,TCRδ,ICSBP,IRF1,IRF4,MIP,TIRについて発現量を定量的に解析した。これらの遺伝子は特定の刺激後、遺伝子の発現量に差がみられ、リアルタイムPCRにより定量することができた。また、従来のRT-PCRの結果と比較したところ、発現量の定量化にはリアルタイムPCRが不可欠であることがわかった。 魚類の免疫担当細胞の血液内での比率を明らかにすることはワクチン接種後あるいは病原微生物感染による免疫担当細胞の比率の変化を解明する上で重要である。そこで、抗体産生細胞であるB細胞と細胞性免疫を担当するT細胞をそれぞれ検出できる免疫グロブリンIgMおよびCD3遺伝子を発現する細胞をin situハイブリダイゼーションにより調べた。免疫グロブリンIgMおよびCD3遺伝子発現細胞はヒラメの末梢血白血球中にそれぞれ8%および34%存在した。
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