研究概要 |
・キプリス幼生を用いたバイオアッセイ アカフジツボMegabalanus rosaの1.5M Tris-HCl緩衝液に懸濁し遠心・濾過した粗抽出液とこれを硫酸アンモニウムで塩析した分画を,それぞれドットブロット装置を用いてニトロセルロース膜に吸着させた.これを基質として幼生が付着するかどうかで誘引活性の有無を調べた. ・タンパク質の精製・解析 上記の硫安分画をPharmacia FPLC systemを用いたDEAE Sepharose^<TM>カラムによるイオン交換クロマトグラフィーにかけ,得られたそれぞれの分画をニトロセルロース膜に吸着させ,同様のバイオアッセイを行った.また各分画をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法で解析した. ・組織標本の作成とレーザー共焦点走査型顕微鏡観察 免疫染色法で着生誘起タンパク質の局在を調べるための前段階として,タテジマフジツボBalanus amphitrite成体と幼生の標本作成を行った.成体では切片作成を容易にするため通常本体から殻を取り除くが,本研究では殻下の組織も観察対象とするため固定液中で脱灰を行い,wholeの組織切片を作成した.幼生ではRNase処理したのちヨウ化プロピジウム染色を施して核染したwholeの標本をレーザー共焦点走査型顕微鏡で観察した. ・cDNAライブラリーの作成 cDNAライブラリーの作成のためのmRNA抽出を試みた.
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