研究概要 |
大根生産の中で,もっとも労力と時間が必要となる作業は,収穫・調製及び間引き作業である。収穫・調製作業については,近年重量野菜用関連機械の開発などによりある程度改善されつつある。しかし,間引き作業については,精密播種機などの利用の観点からいくつかの研究例があるものの,機械による間引き作業の省力化に関する研究が殆どなされていないのは現状である。そこで,本研究は大根の間引き作業用ロボットの開発を最終目的とし,今回それに適した大根の栽培様式及び,画像処理による大根幼苗の認識方法について検討した。その結果,2年間のほ場栽培実験より,今回提案した新しい栽培様式は,慣行栽培様式と同等かそれ以上の生育及び収量が期待できる事を確認した。また,自動2値化処理により,大根幼苗の認識及びそれぞれの大きさの判別が可能である画像処理アルゴリズムを開発した。今後本研究のこれらの基礎知見に基づいて,大根の間引き作業用ロボットを考案していく予定である。
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