研究概要 |
コラーゲンおよびゼラチンは、食用から医療用材料まで広範囲の分野で利用されているが、その材料が牛または豚由来であるため利用範囲が限定される。これまでに新たなコラーゲンの利用を広げることを目的として、水生動物由来のコラーゲン(鮫真皮)に着目し研究を行い、違いを明らかにしてきた(1995,J.Food Sci.;1995,B.B.B.;1997,B.B.B.;2000,J.Agri.Food Chem.)。また、豚および鮫由来コラーゲンを混合し、再構成することにより両者の特性を持ったハイブリットコラーゲンを創製することができ、1995年度の科研費の交付を受け(課題番号07760249)、その結果を報告している(2000,J.Agri.Food Chem.)。さらに食品にも利用可能な酵素(トランスグラタミナーゼ)や共存するプロテオグリカンを用いてコラーゲンやゼラチンを形成し、これまでとは異なる性質を付与できる可能性を示した。これらの基礎研究を基に温度感受性の強いコラーゲンおよびゼラチンを開発するため1999〜2000年度の科研費の交付を受け(課題番号11760183)、研究に取り込み、その結果を報告した(2001,Biomacromolecules;B.B.B)。コラーゲンのゲル形成および融解温度は、プロテオグリカンの添加により低下し、トランスグルタミナーゼ処理で上昇することが可能となった。コラーゲンの主原料として水生動物由来のものも利用できる可能性が示唆された。
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