研究課題/領域番号 |
11760197
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 信州大学 (2000) 麻布大学 (1999) |
研究代表者 |
鏡味 裕 信州大学, 農学部, 助教授 (80308303)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 鳥類 / キメラ / 生殖細胞 / 発生分化 / 発生工学 |
研究概要 |
近年、地球規模での環境汚染が進行し有用動物遺伝子資源の消滅が危惧されている。特に鳥類ではトキなどに象徴される有用希少鳥類が今まさに地球上から消え去ろうとしている。これらの貴重な遺伝資源を保全するには従来の自然繁殖に頼るのは極めて困難ある。そこで小数の現存個体から多数の子孫を作出する新たな研究手法の確立が急務である。本課題において主に発生工学的手法を駆使して、鳥類の未分化な鳥類生殖細胞の発生起原が胚盤葉明域中央部に存在することを確定した。この生殖細胞を選択的に採取し効率的な生殖細胞系列キメラを作出する実験系を開発した。 雌特異的DNAプライマーを用いたPCRによって約315bpのバンドが確認されたが、雄においてこのバンドは確認されなかった。よってこのPCRを用いて確実に性判別が可能であることが明らかとなった。ドナーおよびレシピエントの組み合わせとして、雌ドナーおよび雄レシピエントによる異性キメラ、雄ドナーおよび雌レシピエントによる異性キメラが作出された。これらの異性キメラの生殖腺内においてドナーの生殖細胞は異性の配偶子へと発生分化し得ることが確認された。さらにドナーおよびレシピエント細胞を分子レベルで判別し、生殖細胞系列における発生分化の挙動を解析する実験系を確立した。これら一連の研究成果は、基礎生物学的にはキメラにおける鳥類生殖細胞分化機構の解明に貢献し、応用科学的には有用鳥類遺伝子資源の保全および雌雄の産み分けへ活路を拓くものと思われる。
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