研究課題/領域番号 |
11770006
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 昇 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00254756)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ニワトリ胚 / 遺伝子導入 / レトロウイルスベクター / 細胞死 / 運動ニューロン / Bcl-2 / レトロウイルス / RCASBP / 神経 |
研究概要 |
本年度は前年度の研究成果を踏まえて、Bcl-2遺伝子を増殖型トリレトロウイルスベクター(RCASBP)を用いて鶏胚脊髄運動ニューロンへ導入して細胞死への影響を検討した。 1)鶏胚(E4.5;stage24)の頚髄前角においてはpyknosisの形態像を伴った細胞死(アポトーシス)が多く認められるが、RCASBP(B)bcl-2を感染させた鶏胚では、頚髄の前角においてpyknosisの形態像が著明に減少していた。またアポトーシスに特徴的なDNAの断片化をTUNEL反応によって調べると、野生型やRCASBP(B)EGFPを感染させた鶏胚ではTUNEL陽性細胞が頚髄前角に多く認められたが、RCASBP(B)bcl-2を感染させた鶏胚においてはTUNEL陽性細胞は著明に減少していた。 2)頚髄運動ニューロンの細胞死が始まる直前(E4;stage23)の運動ニューロン数を運動ニューロン特異的なマーカーであるislet-1/2に対する免疫染色によって検討したところ、野生型の胚、RCASBP(B)EGFPを感染させた胚、RCASBP(B)Bcl-2を感染させた胚の間でislet-1/2陽性細胞数に差は認められなかった。 3)頚髄運動ニューロンの細胞死が終了した後(E5;stage26)の運動ニューロン数を同様に比較したところ、RCASBP(B)Bcl-2を感染させた胚では他に比べて明らかにislet-1/2陽性細胞が増加していた。 4)以上から鶏胚(E4.5)における頚髄運動ニューロン死はBcl-2分子を導入することによって抑制されることが明らかになった。本研究によって頚髄運動ニューロン死に関与する分子の一つが初めて明らかにされ、また増殖型トリレトロウイルスベクターが鶏胚の発生研究において有用な手法であることが確認された。
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