研究課題/領域番号 |
11770054
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 寿一 北海道大学, 医学部, 助手 (30212187)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ゲルソリン / 機能抑制変異体 / GFP融合タンパク質 / アポトーシス / アデノウイルス / ゲ゛ルゾリン / アボトーシス |
研究概要 |
アクチン調節タンパク質ゲルソリンは、重合核形成によるアクチン線維伸長の促進(Nucleating)、アクチン線維の切断(Severing)およびその末端の保護(Capping)という3つのアクチン重合調節機能を持ち、これらの両面性の機能を通じて重合-脱重合という両局面を制御し、細胞運動において重要な役割を担っている。ゲルソリンは、1次構造上、類似性のある6つの機能ドメイン(G1-G6)からなるが、我々はアクチン線維の切断(Severing)活性に必須であるG1ドメインを欠失したG2-6変異体は、Severing活性をin vitroで抑制し、さらに、発光オワンクラゲ由来の蛍光タンパク質GFP(Green Fluorescence Protein)との融合タンパク質として、Cos7細胞で一過性に発現したところ、接着性細胞のアポトーシスに特有な形態変化を引き起こし、細胞死が起こることを見い出した。本研究では、アクチン調節タンパク質ゲルソリンの機能抑制変異体によるアポトーシス誘導の分子機構解明することを目的とする。 平成12年度は、昨年度に得た、G2-6機能抑制変異体を含む様々なゲルソリン欠失変異体のアデノウイルス・ベクター用いて、1)これまでに知られている、p53により発現誘導される細胞死誘導タンパク質Baxのプロモーターを有するルシフェラーゼ・プラスミドをレポーターとして、G2-6変異体を含む様々なゲルソリン欠失変異体によりBaxプロモーターが活性化されるかどうが、2)細胞死を抑制するBcl-2を共発現することで、G2-6変異体による細胞死が回避されるかどうかを検討した。その結果、1)G2-6変異体を含む様々なゲルソリン欠失変異体によりBaxプロモーターは活性化されず、ゲルソリン欠失変異体による細胞死においてp53を介する情報伝達経路は関与しないことが示唆された。2)細胞死抑制タンパク質Bcl-2の共発現によってもG2-6変異体による細胞死が回避されなかった。したがって、Bcl-2が関与する細胞死の情報伝達経路もG2-6変異体によるアポトーシス誘導に関与しないことが示唆された。
|