研究課題/領域番号 |
11770064
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 知己 熊本大学, 医学部, 助手 (20264286)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / アルギナーゼ / アルギニン / リポポリサッカライド / 尿素サイクル / マクロファージ |
研究概要 |
一酸化窒素(NO)は重要かつ多彩な機能が注目されている生理活性物質であるが、過剰に産生された場合には宿主細胞にも障害を与えるため、過剰なNO産生を抑制する何らかの機構の存在が考えられる。NOはNO合成酵素(NOS)の働きによりアルギニンを基質として合成されるが、アルギニンはアルギナーゼの基質でもあるため、両者が同一の細胞に発現した場合には基質を競合することになり、NO産生が抑制されると考えられる。実際、昨年度我々はマウスマクロファージ系RAW細胞において誘導型NOS(iNOS)とII型アルギナーゼを共誘導した場合、NO産生が抑制され、NO過剰産生による細胞のアポトーシスが抑制されることを明らかにしている。そこで本研究では、大腸菌リポポリサッカライド(LPS)を腹腔内投与したラットの肝臓において、アルギナーゼを含む尿素サイクル酵素とiNOSの変動を調べ、両者の関係について検討した。 LPS腹腔内投与によりiNOSmRNAは投与後6時間をピークとして一過性に誘導された。この時、細胞外からのアルギニンの取り込みに働くcationic amino acid transporter-2および急性期タンパクの発現誘導に働く転写因子C/EBPβのmRNAも2〜6時間をピークとして誘導を認めた。これに対し、尿素サイクル酵素であるアルギニノコハク酸合成酵素(AS)、アルギニノコハク酸リアーゼ(AL)およびアルギナーゼI mRNAの発現は抑制された。タンパクレベルでは一過性の投与のためか尿素サイクル酵素の変動は認められなかった。これらの結果よりエンドトキシン血症においては尿素サイクル酵素の産生が抑制され、iNOSを始めとする急性期タンパクの産生に、肝臓におけるタンパク産生能が振り向けられると考えられた。
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