研究課題/領域番号 |
11770074
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山本 圭 徳島大学, 医学部, 助手 (30304504)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | シクロオキシゲナーゼ / プロスタグランジン受容体 / グルココルチコイド / 受容体誘導 / フムロン / ホップ / 転写抑制 / 骨吸収抑制因子 |
研究概要 |
シクロオキシゲナーゼ(COX)-2誘導の転写調節機構ならびにグルココルチコイドによるその抑制の仕組みについて調べる過程において、以下について明らかにした。 1.サイトカインによるプロスタグランジン(PG)I受容体の誘導 骨芽細胞ではPGによりCOX-2が誘導されることから、この細胞におけるPG受容体の発現を調べた。その結果、PGE受容体(EP1、EP2、EP4)の発現、PGF受容体の構成的発現とTNFαによるPGI受容体の誘導が明らかになった。PGI受容体の誘導はCOX-2を含む何らかの蛋白質の発現の関与が示唆され、またその誘導はグルココルチコイドにより抑制された。PGI受容体遺伝子を単離し、転写活性を測定すると、グルココルチコイドによる抑制の作用点は転写の段階にあることが示唆された。 2.フムロンによるCOX-2の転写抑制 グルココルチコイドによるCOX-2の転写調節機構を調べているうちに、骨吸収抑制因子としての報告があるビールホップより抽出されたフムロンがCOX-2の転写を抑制することを骨芽細胞を用いたin vitroの系とラットを用いたin vivoの系で明らかにした。前者では、フムロンはCOX-2の誘導に関わるNFκBやNF-IL6の転写活性を抑制するが、グルココルチコイド受容体とは結合せず、グルココルチコイドとは異なる経路でその作用を発揮していることが示唆された。後者では、フムロンをラットの脊髄内に投与した後に脊髄を損傷させると、損傷により誘導されるCOX-2がフムロンの濃度に依存して抑制された。 COX-2の誘導に対するグルココルチコイドによる抑制機構については未だに直接的な作用点が明らかになっていない。またPG産生に関わる合成酵素あるいはPG受容体もグルココルチコイドにより影響を受けている報告がある。今後これらの遺伝子の転写調節機構を調べるとともに、誘導に関わる転写因子の活性化に注目してグルココルチコイドによる影響を調べていきたい。
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