研究概要 |
初年度(平成11年度)の研究実績 HUMARA assayにおいて,小型ゲルで泳動後,ナイロンメンブレンにブロッティングすることなくゲルを直接染色するという簡便な方法を確立した. 新しい方法:PCR産物を10%アクリルアミド(アクリルアミド:ビスアクリルアミド=19:1)で電気泳動し,SYBR Gold(Molecular Probes,Oregon)を用いてゲルを染色後,波長254nmの紫外線照射下撮影する. 平成12年度の研究実績 方法:PGK assayとHUMARA assayを用いてこれまでクローナリティーの検討がなされていない,スピッツ母斑,青色母斑および異型性母斑について検索した. 結果:*スピッツ母斑と青色母斑は,ポリクローナルであった. *異型性母斑は,モノクローナルであった. 考察:異型性母斑は当初,悪性黒色腫の前癌状態として報告されたが,最近では通常型母斑の一型であるに過ぎず,悪性化とは無関係であると見なされている.今回,異型性母斑がモノクローナルであったという事実は,異型性母斑が通常の母斑のごとく奇形的疾患ではなく,腫瘍性疾患であることを示唆しうる.この結果は,悪性黒色腫の癌化過程を解明する上で,重要なインパクトを与えると考える. 結果の公表:今回の結果は,2001年3月に米国において開催される,第90回United States and Canadian Academy of PathologyのAnnul meetingにおいて,講演する予定である.
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