研究課題/領域番号 |
11770163
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
原 好勇 久留米大学, 医学部, 講師 (40309753)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / RNAポリメラーゼ / PAサブユニット / プロテアーゼ / 立体構造 |
研究概要 |
1.前年度では、精製したインフルエンザウイルスRNAポリメラーゼPAサブユニットがペプチド基質およびタンパク質を分解することを見出した。そして、DFPがPAとクロスリンクしたことからキモトリプシン様セリンプロテアーゼであることが分かった。今年度は、さらにプロテアーゼ活性部位の同定を行った。DFPのクロスリンクしたアミノ酸を調べた結果、DFPは、PAのSer616とSer624にクロスリンクしていた。このことから、セリンプロテアーゼの活性中心はこの部位に存在すると考えられた。 2.さらにどちらのアミノ酸が活性部位であるかを同定するため、この2ヶ所のアミノ酸をトレオニンに置換した変異体、また欠損させた変異体を作成し、各変異体のPA蛋白の精製を行った。その結果、Ser616を変異してもプロテアーゼ活性が検出され〓のに対し、Ser624を変異あるいは欠失させると、活性は検出されなかった。この結果から、PAのセリンプロテアーゼ活性の〓心はSer624であることが分かった。 3.以上、精製したPAはペプチド基質およびタンパク質を分解すること、ウイルス粒子内PAにも同様の活性がみられること、活性中心を他のアミノ酸に置換または欠損させると活性が消失すること、などからPAはプロテアーゼ活性をもつことを証明した。PAプロテアーゼ活性はRNAポリメラーゼからは初めての例であり、PAは遺伝子の複製およびタンパク分解の二つの機能をもつことになる。今後、遺伝子の転写・複製機構にプロテアーゼの関与する新たな側面が展開されるものと考えられる。 4.現在、PAプロテアーゼ活性部位の立体構造を解明するため、その結晶化に取り組んでいる。
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