研究概要 |
予防接種率の把握方法を検討する目的で、前年度調査したデータを元に解析を進め、以下の知見を得た。 調査1 予防接種台帳に基づき管理されているデータから、ワクチンの種類別、接種年度別、出生年度別の接種者数から、各年度の満0〜6歳児の接種者の合計/(満0〜6歳時の出生年度別出生数の合計-満0〜6歳当該児童の前年度までの既接種者数の合計)を計算し、満7歳未満児の接種率を求めた。平成9年度の値では、三種混合I期1回目ポリオ2回目が最も高く40%を超えているが、BCGは30%にとどまった。今回の指標では出生年度別の出生数を対象者数として計上しているため、転出等が考慮されていない。また、接種の意志のない者が、毎年毎年蓄積されて、接種率としては低くなっている可能性がある。今後それらについては個別に調査を行い、修正するための方法を考える。 調査2 小学校児童の予防接種の接種歴、対象疾患の罹患歴調査(1,958人(回収率93.7%))から、満6歳の時点での未罹患者に対する接種者の割合を求め、出生年度別の予防接種完了率を計算した。ワクチン別には、ポリオ98.3%、三種混合96.0%、BCG95.0%と、接種者の割合が90%以上と高く、それ以外は、日本脳炎84.3%、麻疹74.4%、風疹56.8%である。定期接種対象疾患で1回で接種が完了する麻疹、風疹の満6歳時点の接種完了率は、麻疹82.5%、風疹32.0%であり、出生年度別には、平成4年度、3年度が高くなっていた。予防接種法改正によって、標準接種年齢に近い年齢で接種する者が増えたことが考えられた。今回の調査結果を感染症や予防接種に関する知識の普及に役立てて貰うための資料を作成し、町の教育委員会、学校に配布した。
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