研究概要 |
リコンビナントESP-1タンパクの発現を、S2,Cos7,HEK293、HeLa細胞などを用い、こころみた。シグナルペプチドをrat trypsinogenに変えて分泌しやすくする。C末端にFLAG-Tag,Immunoglobulin Fc Tag,Myc-Tagなどのタッグをつける。enterokinase、dipeptidyl-peptidase(Tryptase)の切断部位をIVGG配列の直前に導入する。など、様々な工夫をこらしたが、HeLa細胞の系以外では、すべてinc1usion bodyを形成した。HeLa細胞の系においても活性のあるものは、得ることができなかった。このような、タンパクの発現には、特異的な分子シャペロンの存在が、想定されることより独自に分子シャペロンをクローニングする方法を開発した。しかし、cDNAライブラリーの質的な問題によりまだ分子の同定にはいたっていない。esp-1の腫瘍細胞における発現頻度が、正常組織より低いという結果をさらに卵巣ガンcell line15種類及び肺ガンcell line10種類において検討した。わずか、3種類にしかRT-PCRのレベルでesp-1のmRNAは発現していないことが明らかになった。これにより、esp-1は癌化すると発現が抑制される遺伝子であることが予想される。依然esp-1の機能が、不明であることより精巣で特に発現が高いこの遺伝子をマウスで遺伝子ノックアウトすることに着手した。現在キメラマウスの樹立に成功しており、解析の準備中である。
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