研究課題/領域番号 |
11770265
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
真野 浩 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50302120)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 肝内胆管細胞 / 胆汁酸 / 胆汁酸トランスポーター / 胆管細胞 / 再吸収 |
研究概要 |
胆汁酸は肝細胞でコレステロールから合成され胆汁中に分泌される。胆汁中では脂溶性物質のミセル化を行い、小腸では脂溶性栄養素のミセル化と消化に重要な役割を果たす。その後、回腸上皮で再吸収され肝へと環流するが、これが胆汁酸の腸肝循環である。一方、原発性胆汁性肝硬変など胆汁うっ滞性疾患では胆汁酸の1つであるウルソデオキシコール酸により病態の改善が得られる。 近年、胆管細胞の管腔側に回腸上皮細胞と同様の管腔側胆汁酸トランスポーター(ASBT)が発現していることが報告されたが、その意義はいまだ不明である。我々は不死化したマウスの肝内胆管細胞株を用い、胆管における胆汁酸代謝について検討した。その結果、1.実験で用いた細胞株はASBTを発現していたが、胆汁酸の細胞質内移送に関わる回腸型胆汁酸結合タンパク(iBABP)は発現していなかった。2.単層培養した細胞株では胆汁酸の経上皮細胞間移送(管腔側から血管床側へ)が行われていた。3.この移送は温度依存性、ナトリウムイオン依存性、他の胆汁酸による競合的阻害の存在から、ASBTの特性に従った移送であると考えられた。4.ある種の胆汁酸をあらかじめ添加して培養することにより、この移送能は増加した。 以上より、肝内胆管は生理的状態で、回腸上皮細胞とは異なったメカニズムで胆汁酸の腸肝循環に能動的な役割を果たしていると考えられた。特に原発性胆汁性肝硬変に対するウルソデオキシコール酸の効果などから病態時(特に胆汁うっ滞時)での役割は小さくないものと考えられた。
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