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大腸癌細胞におけるIGFBP産生の検討

研究課題

研究課題/領域番号 11770296
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 消化器内科学
研究機関近畿大学

研究代表者

西村 明芳  近畿大学, 医学部, 講師 (70288893)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードIGFBP / IGF / 炎症性腸疾患 / 大腸上皮細胞 / butyrate
研究概要

炎症性腸疾患の病態は腸管内環境により影響を受け、腸管栄養物質による炎症性腸疾患の加療効果が証明されている。そこで、腸上皮細胞栄養因子であるshort chain fatty acids(SCFA)、non-essential amino acids(NEAA)がIGFBPの腸上皮細胞からの分泌を分子レベルで調節し、IGFが示す腸上皮細胞の分化、増殖作用に影響するという仮説を立てた。大腸上皮細胞株であるCaco-2の培養上清中のIGFBPを^<125>I-IGF-Iを用いたwestern ligand blot法で検討した結果、butyrate,propionate,acetateおよびNEAAはそれぞれIGFBP産生パターンに対して異なる影響を示した。ButyrateはIGFBP-2産生増加、IGFBP-3産生低下を示し、IGFBP-1、IGFBP-4に対しては影響しなかった。Propionate,acetateはbutyrateで認めたIGFBP産生への影響は認めなかった。NEAAではIGFBP産生パターンの変化は認めなかったがNEAA濃度に依存して産生量の増加を認めた。つまり、butyrateのみがIGFBP産生パターンに対して大きく影響した。Butyrateの作用はRNAレベルにも及んでおり、IGFBP-2 RNAの増加とIGFBP-3RNAの低下を認め、western ligand blot法で得た結果と一致した。Histoneのacetylationを調節するtrichostatin Aを添加培養した結果、trichostatin A濃度によってはbutyrateで得たIGFBP産生パターンと一致し、butyrateの作用はhistoneのacetylationの調節への関与が考えられた。さらに検討するため、生体内における腸上皮細胞のように、極性を持ったモデルとしてCaco-2を培養し培養上清中のIGFBPを検討した。Caco-2をsemipermeable membrane上で培養しapical sideとbasolateral sideの培養上清中のIGFBPを検討した。Butyrate、及びtrichostatin A(TSA)をapical sideとbasolateral sideに各々添加したところ、apical sideでは一般の単層培養で得た結果と同様のIGFBP産生パターンを示していた。しかしbasolateral sideにおいては、はっきりとした影響は認めなかった。このことからbutyrateは主にapical sideに作用してIGFBP産生パターンを調節していると考えられるが、basolateral sideでのIGFBP産生に対しては少なくともbutyrateの直接作用はないと考えられた。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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