研究課題/領域番号 |
11770297
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
堀 和敏 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20289078)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 動物モデル / 慢性炎症 / 塩化水銀 / フロイト完全アジュバント / トリニトロベンゼンスルホン酸 / プロピオニバクテリウム |
研究概要 |
原因不明の炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎やクローン病は、自己免疫的機序により発病するものと考えられており、慢性疾患である。しかし、これらの疾患モデルの多くは急性の経過を辿る。慢性かつ活動性の腸炎モデルを作製するために、以下の方法を試みた。T細胞依存性のB細胞の活性化を引き起こすために、8週齢のBrown-Norwayラットに1mg/kgの塩化水銀を隔日で6回皮下注射した。粘膜組織由来の蛋白に対する抗原抗体反応を引き起こすために、エタノール(Et)で蛋白を固定し、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)で抗原性を増強、フロイト完全アジュバント(FCA)で抗原提示能を増強すべく、5mg/ml TNBS/20%Et/50%FCA溶液を調製し、その0.5mlを皮下注射の最初と最後に2回注腸した。最も汎用されているTNBS腸炎をコントロールにすべく、7週齢Wistarラットに15mg/ml TNBS/50%Et溶液0.5mlを1回注腸し、それぞれ1-2週間おきに屠殺、組織学的に比較検討した。潰瘍形成について、1週間後ではコントロール群・本モデル群とも全例(7/7例)に潰瘍がみられたが、8週間後にはコントロール群には全例潰瘍がみられなかったのに対し、本モデル群では7例中2例にみられた。組織学的炎症スコアの検討では、両群とも1週間後をピークとして徐々にスコアの低下を認めたが、コントロール群は8週間後には炎症の消失がみられたのに対し、本モデル群では炎症の残存を認めた。本モデルは従来のモデルと比較して、より慢性に炎症を引き起こすことには成功したものの、活動性は徐々に低下しており、更なる改良が必要と考えられる。
|