研究課題/領域番号 |
11770301
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
小林 正宏 財団法人冲中記念成人病研究所, 研究員 (70312220)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 肝細胞癌 / 多段階発癌 / LOH / マイクロサテライト多型 |
研究概要 |
肝細胞癌におけるmicrosatellite instability(MSI)について検討するため、肝細胞癌58例60結節の切除検体を用いて、合計21ヶ所のmicrosatellite領域について検討した。まず癌部・非癌部組織各100mgよりSDS-PK Phenol抽出法によりDNAを抽出し、これをtemplateとしてPCR反応を行った。PCRに用いたprimerはD1S160、D1S170、D1S186、D1S2883、D2S123、D3S1611、D4S411、D4S415、D4S427、D5S346、D7S501、D13S126、D13S227、D16S164、D16S419、D16S512、D17S520、D17S1176、D18S35、P53-Dinuc、P53-Pentaの21個であり、各々のsense primerの5'端を蛍光色素で標識し、蛍光sequencerを用いて泳動を行い、癌部より得られたbandと非癌部より得られたbandを比較してLoss of Heterozygo sity、Replication Errorの有無を解析した。 各locusでinformativeと判定された症例の中でLOH陽性率はD1S160が17/60(28.3%)、以下D1S170:14/60(23.3%)、D1S186:21/60(35.0%)、D1S2883:14/60(23.3%)、D2S123:3/60(5.0%)、D3S1611:5/60(8.3%)、D4S411:8/60(13.3%)、D4S415:9/60(15.0*%)、D4S427:11/60(18.3%)、D5S346:10/60(16.7%)、D7S501:4/60(6.7*%)、D13S126:14/60(23.3%)、D13S227:19/60(31.7%)、D16S164:18/60(30.0%)、D16S419:19/60(31.7%)、D16S512:23/60(38.3%)、D17S520:7/60(11.7%)、D17S1176:12/60(20.0%)、D18S35:5/60(8.3%)、P53-Dinuc:0/60(0.0*%)、P53-Penta:6/60(10%)であり、D1S186、D16S512が比較的陽性率が高かったものの全体としては低率であった。また症例毎にMSIの有無を検討すると、MSI陽性率は58例中22例(37.9%)であったが、2つ以上のlocusで同時にMSIを認めた症例は6例のみであった。またこの6例はいずれも中分化型肝癌であり、高分化型肝癌で2つ以上のlocusで同時にMSIを認めた症例はなかった。
|