研究概要 |
Cryptococcus neoformansは基礎疾患を有しない患者にも肺クリプトコックス症や髄膜炎を発症することから菌自体の病原性も問題となっている。その病原性をRNAレベルで解析するために以下の実験を行っている。 昨年度には、病原性の強い菌(臨床分離株YC11)と弱い菌(臨床分離株YC13)からFast RNA kit(Bio101,Vista,CA)を用いてプロトコールに従ってC.neoformans cellsからRNAを抽出し、キットを用いてPCRsubtractionを行った。そこで選択された大腸菌コロニーは約40個分離された。本年度は、それらの分離された遺伝子を解析したところ、現在アメリカスタンフォード大学が中心に全世界度行われているゲノムプロジェクトで判っているC.neoformans遺伝子と一致したものは、4遺伝子であり、その他は未知なものであった。YC-11とYC-13で遺伝子の発現の差が認められたのは、2遺伝子であり、そのなかで一つはC.neoformansのヒートショックプロテイン(HSP)70と一致しており、この遺伝子が病原性に関与していることが示唆された。現在、これらの遺伝子をクローニングし、その機能についても解析中である。
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