研究課題/領域番号 |
11770341
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
西村 裕之 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20248131)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 海馬遅発性神経細胞死 / シナプス小胞輸送蛋白 / 興奮性アミノ酸 / 脳虚血 / mossy fiber |
研究概要 |
目的:in vivoにおいてmunc18-Interacting Proteins(mints)およびmunc18の脳虚血負荷後の脳内動態および発現細胞を検討し、虚血性神経細胞障害における前シナプス小胞輸送異常を評価した。 方法:雄性C57/B6マウスを用い、軽ハロセン麻酔下にクリップにて両側総頚動脈結紮し、一過性前脳虚血を作成した。免疫組織化学、Western blottingを用いてmint1とmunc18およびsynaptophysinの産生動態を検討した。 結果:(1)正常マウスの海馬ではmint1はdentate gyrusのmolecular layerのうちentorhinal projectionの領域と顆粒細胞からのmossy fiberに強く免疫陽性を認めた。(2)電顕的にはmint1は前シナプス終末のactive zoneとシナプス小胞に局在しmunc18は主にactive zoneに、synaptophysinは主にシナプス小胞に局在していた。(3)mint1のmossy fiberの終末での標識は虚血後1日目に一過性に低下し、3日目には逆に亢進していた。その後7日目にはコントロールレベルに復した。(4)munc18の免疫染色は全経過を通じて変化はなかった。(5)Western blotの検討では虚血負荷後3日目に一過性の海馬mint1蛋白の発現亢進が認められ,虚血負荷後7日目にはmint1蛋白量は低下していた。 考察:mint1は海馬遅発性神経細胞死の過程で苔状線維の前シナプス終末内で局在が変動することが明らかとなった。したがって、mint1はシナプス小胞輸送を制御することで虚血負荷後の興奮性アミノ酸神経伝達に関与している可能性が示唆された。
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