研究課題/領域番号 |
11770401
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
川村 俊彦 新潟大, 医学部, 助手 (70301182)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 川崎病 / NK細胞 / 胸腺外分化T細胞 / CD57 |
研究概要 |
川崎病の病態・病因について、種々の免疫異常が指摘されているものの、末だに不明な点が多い。我々は、NK細胞や胸腺外分化T細胞が、生体防御機構において、特に初期防御に関与することを明らかにしてきた。本研究において、我々は、川崎病患者の未梢血中のリンパ球の解析を行った。川崎病患者の末梢血より、比重遠心法により、単核球を分離し、表面抗原の性状をフローサイトメトリーにより解析した。川崎病発症から、経時的に解析したところ、急性期後半で、CD57陽性T細胞の有意な増加が見られた。NK細胞の割合については、全経過を通して、軽度に増加していた。また、このCD57陽性T細胞の増加は、川崎病の重症度と相関し、特に冠動脈瘤の発症する症例で著しい増加が見られた。CD57陽性T細胞は胸腺に存在せず、骨髄や肝臓といった組織に多く存在し、また、小児期には極めて少なく、加齢に伴って増加してくる細胞群であり、胸腺外で分化することが知られている。このように、川崎病患者に末梢血中に胸腺外分化T細胞やNK細胞の増加が見られたことは、川崎病の病態に胸腺外分化T細胞やNK細胞が関与していることが示唆される。また、CD57陽性T細胞は慢性関節リウマチなど、炎症疾患で増加することもしられている。川崎病での胸腺外分化T細胞とNK細胞の増加が、炎症を増悪させるのか、あるいは炎症を抑えるのか、また、これらの細胞群と血管内皮細胞傷害との関わりについて、今後明らかにしていきたい。
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