研究課題/領域番号 |
11770411
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 龍太郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70304805)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 補体 / C9欠損症 / 日本人 / 遺伝子頻度 / 保因者頻度 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
後期補体成分の最終成分としてはたらくC9の先天的欠損症は、海外において数例しか報告されていないが日本では最も頻度の高い遺伝性疾患のひとつで、北海道から九州まで頻度に差がなく、およそ1,000人に1人がホモ接合体とされる。本研究代表者である吉良らは日本人C9欠損症4例の遺伝子解析を行い、全例がエクソン4にあるナンセンス変異(R95X)のホモ接合であることをこれまでに明らかにした。またこの解析において対立遺伝子特異的増幅法(ASPCR)を利用したR95X変異を容易に検出する方法を開発した。昨年度の研究ではこの方法を用いて日本人300人におけるR95X変異の保因者頻度を調べ、日本人の15人に1人(6.7%)がR95X変異のヘテロ接合であること、日本人C9欠損症の大部分がこの変異によることを明らかにした。 本年度の研究では、日本の近隣諸国におけるR95X変異の保因者頻度についてASPCR法を用いて検討した。その結果、中国北部(ハルビン市、漢民族)および韓国一般集団におけるR95X変異の保因者頻度はそれぞれ順に、2/194人(1.0%)、4/200人(2.0%)であった。このように中国、韓国においてもR95X変異の保因者が少数ながら存在していることがわかった。日本人集団が形成される際にR95X変異が高率に広まったと推測された。 次に他の補体成分欠損症(C1-C8)で報告されている全身性エリテマトーデス(SLE)との関連の有無について検討した。その結果SLE78例におけるR95X変異保因者の頻度は一般集団と変わりなかった。C9欠損症はSLE発症と関連がないことが明らかとなった。
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