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アトピー性皮膚炎の病態形成に対するCCケモカインとそのレセプターの関与について.

研究課題

研究課題/領域番号 11770446
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 皮膚科学
研究機関帝京大学 (2000)
東京大学 (1999)

研究代表者

湧川 基史  帝京大学, 医学部, 助手 (70302742)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワードアトピー性皮膚炎 / ケモカイン / ケモカインレセプター / Th2細胞 / Cutaneous lymphocyte associated antigen / 水疱性類天疱瘡 / CCケモカイン / eotaxin / CCR3 / CCR4
研究概要

近年,いくつかのケモカインレセプターがTh1,Th2の指標になることが明らかとなり,アトピー性皮膚炎(AD)の病態にも密接に関わっていると考えられるが,ADにおいての発現と病態との関係については不明であった.筆者らは,AD末梢血CD4T細胞上におけるこれらのケモカインレセプターの発現がTh1,Th2を反映するのか,さらにADの病態,重症度や検査値異常を反映しうるか,また,ADの活性化の指標とされるCD25や皮膚へのhoming moleculeであるcutaneous lymphocyte associated antigen(CLA)などを発現しうるか否かを検討した.さらに,病変部浸潤細胞におけるこれらレセプターの発現についても検討した.
結果
1.CCR4陽性細胞は,ほとんどがIL-4のみ産生するいわゆるTh2細胞と,IL-4,IFN-γの両者を産生するTh0細胞である一方,IFN-γのみ産生するTh1細胞は1%以下であり,Th2優位のサイトカイン産生パターンを示した.CXCR3産生細胞は,Th1細胞が約7割を占め,逆にTh2細胞は1%以下であった.つまり,CCR4の発現はTh2細胞の数を反映し,CXCR3の発現はTh1細胞の数をほぼ反映していた.2.CD4T細胞中のCCR4の発現率はAD群は20%を超え,健常人群の約4倍と高値を示した.CXCR3の発現率は健常人群とAD群で差はなかった.3.CCR4発現率は重症群で特に高く,重症群と中等症群において,健常人群よりも有意に高い発現率を示した.CXCR3陽性率は各群とも健常人群との相関が得られなかった.CCR4陽性率は末梢好酸球数と相関する傾向を示した.血清IgE値はCXCR3陽性率と有意な逆相関を認めたが,CCR4陽性率とは相関しなかった.4.CCR4陽性率は治療により低下する傾向を認め,CXCR3陽性率は逆にやや上昇を示した.5.CCR4陽性CD4細胞は,CCR4陰性細胞に比べ,有意にCD25,CLAの発現率が高かった.6.急性病変部の真皮血管周囲のCD4T細胞の多くがCCR4を同時に発現していた.AD患者末梢血中ではCCR4陽性細胞が増加し,ADの病態に関与していることが示された.CD4T細胞におけるCCR4,CXCR3発現はTh1,Th2バランスの指標になり,ADの重症度の指標にもなりうることが示唆された.

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Wakugawa M et.al: "Elevated levels of eotaxin and IL-5 in blister fluid of bullous pemphigoid"British Journal of Dermatology. 143. 112-116 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 湧川基史 ほか: "皮膚の免疫担当細胞ケラチノサイト"アレルギー科. 9(3). 200-205 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 湧川基史 ほか: "表皮ケラチノサイトの産生する好酸球遊走因子"アレルギー科. 9(6). 550-553 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 玉置邦彦,湧川基史 ほか: "アトピー性皮膚炎の成因をめぐってアトピー性皮膚炎とサイトカイン"臨床免疫. 33(4). 426-429 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 湧川 基史: "皮膚疾患とケモカイン"MB Derma. 25. 67-72 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 湧川 基史: "ダニパッチテストの病理"Dermatoiogy Practice. 6. 162-163 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 湧川 基史ほか: "アトピー性皮膚炎患者のダニ抗原刺激におけるTh2サイトカイン分泌"アレルギー. 2・3. 366 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 湧川 基史ほか: "成人型アトピー性皮膚炎患者末梢血memoryhelperT細胞における各種ケモカインレセプタの発現"アレルギー. 8・9. 952 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] M.Wakugawa et al.: "The expression of CC Chemokine Receptor3(CCR3) is Detectable in Normal Human Skin and is Enhanced in Inflammatory Skin Diseases"Journal of Investigative Dermatology. 112・4. 600 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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