研究概要 |
本年度はE-cadherin,Desmoglein3,Desmocollin3aのdominant negative変異体(EcadΔEC,Dsg3ΔEC,Dsc3aΔEC)の効果を3次元培養皮膚にてみるためまずコントロールアデノウイルスとしてEnhanced Green Fluorescent Protein(EGFP)を用いて単層培養正常ヒトケラチノサイトにアデノウイルスを感染した後3次元培養皮膚作成を試みた。EGFP発現アデノウイルスはCOS-TPC法を用いて作成し塩化セシウム密度勾配法にてウィルス液の精製、濃縮を行い、PBS-grycelolに対して透析したものを用いた。しかし、完成後発現を確認したところ顆粒層、角層にしかEGFPの発現が認められなかった。アデノウイルスはhost genomeに取り込まれなくepisomalに存在するためケラチノサイトの増殖に伴い発現が弱まったと思われた。またアデノウイルスによる分化の促進の可能性も示唆された。 そのため、改善を加え新たな方法を開発した。まず、未処理の3次元培養皮膚を作成し完成後collagenaseで処理することにより培養表皮のみ分離し、その表皮にEGFP発現アデノウイルスを感染した後再び新たに作成した培養真皮上にて感染表皮を培養した。この方法にて発現を確認したところ非常に強いEGFPの発現が基底細胞、有棘細胞に認められた。この方法を用いてEcadΔEC,Dsg3ΔEC,Dsc3aΔECの効果を解析中である。
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