研究概要 |
平成11年度 3次元画像表示が可能な拡散強調MRI画像の検討を行った。これまで呼吸停止下に撮影可能な拡散強調画像はecho planar(EPI)法のみであったが、腎臓のように腸管のガスによる影響を受けやすい部位では、良好な画像を得ることができない。本検討ではsingle shot fast spin echo(SSFSE)法による拡散強調画像を用いた。本撮影法は磁場の不均一性の影響が小さく、腸管のガスによる影響を受けやすい部位においても良好な画像を得ることができる。 1.SSFSE法拡散強調画像の正当性:SSFSE法とEPI法の両者の拡散値(ADC)は同等の値であった。また臨床応用例において、磁場の不均一性による画像の劣化はSSFSE法の方が小さかった。問題点としては、コントラストが低く、組織T2値の小さな領域では良好な画像を得ることは困難であった。腎は比較的T2値の大きな臓器で、また腸管のガスの影響を受けやすい部位であることから、SSFSE法は腎においては有用であることが示された。 2.3次元画像の作成:MRI,Power Doppler超音波画像によりDICOM方式で画像データを取りだし、今回購入したパーソナルコンピューター上で市販ソフトウェアにて3次元画像を作成できることを確認した。 3.臨床応用:肝、腎、骨盤領域にSSFSE法、EPI法両法による拡散強調画像を応用し、一般臨床例におけるデータの信頼性、応用を確認した。 平成12年度 1.家兎に対して部分腎梗塞を作成し、拡散強調画像の撮影を行う。 2.現在ワークステーション上で作成可能なADC mapを、パーソナルコンピューターに取り込み3次元画像化する。 3.腎温存術および腎不全患者(特に移植後患者)の臨床応用をはかる。
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