研究課題/領域番号 |
11770518
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
木津 修 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70305598)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 拡散強調スペクトル / ニューラルネットワーク / 磁気共鳴スペクトル |
研究概要 |
臨床用装置(1.5T,MAGNETOM;SiemensおよびMAGNEX 150X;島津製作所)による磁気共鳴法(MR)を用いた脳内代謝物質の拡散強調スペクトル画像法(DW-MRSI)の開発およびこれによるニューラルネットワークの画像化が研究の目標であった。このためには、MRにより得られる緩和時間、拡散、化学反応時間や脳内代謝物の情報を用いて、ニューラルネットワークの物理的、化学的な特徴を画像にする必要がある。また従来の磁気共鳴スペクトル画像(MRSI)法の神経疾患への応用もさらに必要であり、これも並行して施行した。 2年間の研究の結果では、これまでに開発・実用化してきたこのMRSI法を応用し、DW-MRSIを実現するまでには至らなかった。一方で、さらなるMRSI法の神経疾患における応用については、一定の成果を得た。具体的には、近年Pick complexといった新たな概念も提案されているPick病およびその類縁疾患にMRSI法を用いた。これにより、変性を反映すると考えられるN-acetylaspartate(NAA)の低下の脳内分布が疾患間で一致する傾向にあることを指摘できた。また典型的なPick病では基底核、シルビウス裂近くのNAAは健常人と比べ差がないことも示唆された。Pick病およびその類縁疾患で様々な概念・用語が提案されるのは、症候の詳細な分析がなされても剖検例がほとんどなく、その病態生理の不明な点が1つの原因と考えられる。MRSI法による脳内代謝物の情報がその不明な病態生理の解明の一助になることを発表できた。
|