研究課題/領域番号 |
11770557
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
丹生谷 正史 自治医科大学, 医学部, 助手 (00228256)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | antidepressant / stress / differential display / gene / cloning / differential display 21q22.2 / chronic unpredictable stress / ダウン症 / post genome |
研究概要 |
ラット脳内各部位よりmRNAを採取し、3'末端プライマーを用い逆転写しdifferential displayを施行し、発現に差のある部分配列の解析を施行した。皮質領域に発現されるものの、その他の領域では発現を見ないmRNAが複数見いだされ、その一つは、第21染色体長腕上(21q22.2)のダウン症発症原因部位に高い相同性を有した。末端部分配列を手がかりとして、5'RACE法、ライブラリースクリーニング法を使用して、全長解析を施行した。ノザンブロットおよびin situ hybridizationにより、配列の全長は約10キロ塩基長であり、発現は皮質・海馬に観察されるもののその他の部位では観察されないことが判明した。一年の実験終了時点では、このうち、cycle sequencing法を用いて、5840塩基の配列決定を終了した。相同性検索によって、配列の一部は、cGMP dependent inward potassium channelと一致した。この機能蛋白は第21染色体上にコードされていることは、過去の報告によって確認されている。さらに、10キロ塩基長の転写物が皮質領域に特異的に発現されていることも報告されているが、配列は未決定であり、これは3'末端にポリAテイルを持たない、非翻訳配列であるとされていた。本研究によって、新たに、この配列がポリAテイルをもつ配列であることが見いだされたことになる。 今後、全配列の解析、翻訳蛋白の解析を行うことにより、当該配列が、現時点で知られているチャンネルと同一構造を持つのか、高次脳機能に関連する付随構造を持つのかに関して、研究を続行する予定である。ダウン症は、精神遅滞、早期の痴呆発症、特徴的な性格傾向を呈することが知られており、本配列の機能と、これら症状が何らかの関係があるのかを、transgenic mouse作成により確認することを最終目標としている。
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