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精神分裂病におけるオンコジーンc-fynの分子生物学的および遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11770562
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 精神神経科学
研究機関順天堂大学

研究代表者

大沼 徹  順天堂大学, 精神医学教室, 助手 (10286734)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード精神分裂病 / fyn / 前頭前野 / 海馬 / 分子生物学
研究概要

平成12年度は、まず昨年度行ったc-fyn mRNAの定量を精神分裂病と健常対照群の前頭前野および海馬で行った。その結果、c-fyn mRNAは分裂病群の前頭前野Brodmann area9で有意に増加しており、その他の部位では有意差は認められなかった。さらに本年度は11年度と同様の対象群を用い、radioactive immunohistochemistryによるc-fynの免疫活性の比較定量を行った。c-fynの免疫活性の分布は、前頭前野では皮質の第II層からVI層にかけてほぼ均一に認められ、これは昨年度実験したmRNAの分布と一致した。興味深いことに海馬においては、mRNAの分布が豊富に認められたdentate gyrusに免疫活性はほとんど認められず、その他のCA4-1およびparahippocampal gyrusに認められた。この結果は、c-fynのmRNAは細胞分裂などが活発な顆粒細胞層に著しいが、その蛋白質発現は神経成長に関連する分子層に著しいという、c-fynのオンコジーンおよび神経成長因子としての特徴をよく反映していると思われた。さらにこれらfilmautoradiogramの結果を、画像解析機器Seescan(UK)を用いて免疫活性を定量し、それを分裂病群と対照群で比較したところ、前頭前野のBrodmann area10でfynの免疫活性が分裂病群で有意に増加していた。しかしながら、その他の前頭前野の部位(Brodmann area9、11)及び海馬では、分裂病群と対照群で有意差は認められなかった。本年度と昨年度の結果をまとめると、精神分裂病患者の前頭前野では、神経の成長や神経伝達に関連する物質であるc-fynの遺伝子および蛋白質発現に障害が生じている可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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