研究概要 |
Rap1はRasファミリーのG蛋白質のひとつであるが,Rasによる細胞癌化を抑制するというユニークな活性をもつ. G蛋白質Rap1の生理機能を明らかにするため,私はインターネット上のDNAデータベースにアクセスしてC3Gと相同性をもつ蛋白質を検索し,機能の知られていなかったcDNAクローン,KIAA0277を見いだした.薄層クロマトグラフィーを用いたin vivoのG蛋白質アッセイの結果、KIAA0277はRap1を特異的に活性化する新規グアニンヌクレオチド交換因子であることが判明し、私はこの分子をGFR(Guanine Nucleotide Exchange Factor for Rap1)と名づけた。欠損変異体を用いた検討の結果、GFRのCDC25相同領域が、その酵素活性には必須であることがわかった。ノザンブロットの結果、GFRは中枢神経系を含む多くの組織で発現していた(FEBS letters(1999) 457:85-89.)。 今後はさらにGFRと結合タンパク質をtwo hybrid systemを用いてスクリーニングし、さらに内在性のRap1アッセイ系も併用して、その情報伝達系に迫っていきたい。
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