研究概要 |
1)骨髄サイトカイン濃度の検討:1α,25(OH)_2D3(D_3)を卵摘・非卵摘、副甲状腺摘除・非摘除ラットに投与。また、22-oxa-calcitriol(OCT)を卵摘・非卵摘ラットに投与し、カルシウム一定食下に飼育。経時的(2週間毎)に骨髄を採取。骨髄血中および骨髄培養上清中のサイトカイン(IL-1,IL-6,TNF-α,TGF-β)濃度を測定した。いずれにも有意の変動は観察出来なかった。 2)細胞機能評価と骨芽細胞アポトーシスの検出:上記動物実験で得られた骨標本から経時的に非脱灰骨標本・脱灰標本を作製。免疫組織化学および骨代謝マーカー(bone gra protein,deoxypyridinoline)の測定も経時的に行った。OCT投与群では、卵摘群に比して、骨芽細胞系細胞の数・機能の増強が明らかであり、破骨細胞の数・機能は強く抑制されていた。D_3投与群、副甲状腺摘除群においてもOCTと同様の傾向を認めたが、その効果は弱かった。さらにTUNEL(transferase-mediated biotin-dUTP nick end-labeling)reactionにより骨芽細胞のアポトーシスの検出、定量比較を試みた。OCT投与群では骨芽細胞系細胞のアポトーシスの抑制傾向が認められた。 3)骨髄脂肪細胞の比率・形態の比較:経時的に作製した脱灰標本により、脂肪髄の割合を脂肪細胞数、一脂肪細胞当たりの脂肪滴の大きさの2点から検出し、比較検討した。卵摘群に比してOCT投与群>D_3投与群>副甲状腺摘除群の順に、骨髄の脂肪化の抑制傾向を認めた。 4)骨芽細胞primary cultureを用いた骨芽細胞アポトーシスに対する副甲状腺ホルモンおよび活性型ビタミンの影響の検討:ラット骨髄より得たprimary bone marrow cell cultureを用い、副甲状腺ホルモン(PTH)、D_3、エストロゲン(E_2)を様々な組み合わせで添加、骨芽細胞のアポトーシスに及ぼす両ホルモンの影響を検討。PTHは骨芽細胞アポトーシスに影響を与えなかったがD_3、E_2は抑制する傾向を示した。
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