研究課題/領域番号 |
11770643
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
笹原 誉之 熊本大学, 医学部, 助手 (20304991)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / セロトニン / IV型コラーゲン / 蛋白尿 |
研究概要 |
本研究は、糖尿病性腎症の進展・増悪のメカニズムの一端を明らかにし、糖尿病性腎症の予防・治療法の開発のための手がかりを得るために、セロトニンのメサンギウム領域における起源・セロトニンからIV型コラーゲン産生に至る経路の意義を明らかにすると共にセロトニン及びIV型コラーゲンと糖尿病性腎症の関連を更に究明することを目的として行った。 1.セロトニンによるIV型コラーゲン産生における細胞内シグナル伝達機構の解析 ヒトメサンギウム細胞におけるセロトニンによるTGF-β産生に至るシグナル伝達機構の解析では、セロトニン刺激からPKCが活性化に至る経路を明らかにするために、百日咳毒素を用いて3量体G蛋白質の関与を検討した。本件等の結果3量体G蛋白質の関与が示唆された。また、TGF-β産生からIV型コラーゲン産生に至るシグナル伝達機構の解析ではIV型コラーゲン産生に関与するTGF-β受容体サブタイプは解析中である。 2.in vivoにおける糖尿病性腎症の発症・進展におけるセロトニンの役割の解析 糖尿病性早期腎症患者の蛋白尿の変化に対するセロトニン2A受容体拮抗物質阻害剤(塩酸サルポグレラート)の作用を検討した。2型糖尿病患者(n=100)の尿中セロトニン排泄量は非糖尿病者(n=40)のそれに比し有意に高値であった。また、尿中セロトニン排泄量は血糖コントロールと有意の正の相関と示した。更に早期腎症2型糖尿病患者20名を無作為にセロトニン2A受容体拮抗物質阻害剤(塩酸サルポグレラート)投与郡と非投与郡の2群に分け、その効果を検討した結果、セロトニン2A受容体拮抗物質阻害剤投与郡で尿中アルブミン排泄量が有意に減少した。 以上より、糖尿病性腎症におけるセロトニン及びIV型コラーゲンの重要性が示唆され、糖尿病清掃機腎症の治療に対するセロトニン2A受容体拮抗物質阻害剤の可能性を示唆し得た。
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