研究概要 |
本邦における生活習慣病の増加には肥満が強く関与していると考えられており、肥満におけるエネルギー代謝の解明において様々な検討がされている。その中でも、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を介さない熱産生に関わるとされている脱共役蛋白質(uncoupling protein:UCP)のファミリーが発見され、その働きについて注目されてきている。UCPファミリーは現在UCP-1,UCP-2,UCP-3,UCP-4が報告されており、UCP-1は褐色脂肪組織、UCP-2は骨格筋、白色脂肪組織、白血球など様々な組織に発現が認められており、UCP-3は主に骨格筋に発現している。UCP-4は脳に特異的に発現していると報告されている。これらのUCPsは発見されてから日が浅く、特にUCP-2,UCP-3については肥満や糖尿病などの病態にいかに関わっているか明らかでない。 UCP-2が白血球より発現しており検体の採取が容易であり、肥満と白血球UCP-2との関係を検討した。検査結果に関しては肥満以外の他の疾患を合併している例が多く明らかな関連性は認められなかった。
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