研究概要 |
<平成12年度・研究結果> (1)in vitroで、ファイブロネクチンを産生している癌細胞に対するヘパリンの抗腫瘍効果が胃癌(STKM)、大腸癌(LOVO)、卵巣癌(PA-1)の培養細胞株について認められた。 (2)その抗腫瘍効果は平成11年度に検討した胃癌細胞株と同様に、アポトーシスによるものであった。 (3)ヌードマウスにそれぞれその培養細胞株を皮下あるいは腹腔内移植し、それにより形成された腫瘤転移巣にヘパリンを局所または腹腔内投与した。その結果、皮下腫瘤、腹腔内腫瘤は縮小または減少が認められた。 (4)その腫瘤の組織切片をDNA電気泳導及びTUNEL法により検討した結果、それらの抗腫瘍効果はin vitroと同様にアポトーシスによることが判明した。 <現況> (1)アポトーシス誘導経路を、WesternBlotting法によるcaspase3,8,9、PARP等の活性化状況により検討中。 (2)癌細胞増殖への影響を、FACSによるcell cycle、免疫沈降法やWestern Blotting法よるAktの燐酸化の状況やBadの発現状況により検討中。 (3)ヘパリンのsideeffectである抗凝固作用を抑えるため、拮抗剤である硫酸プロタとの併用による効果、影響をinvitro及びin vivoにて検討中。また、抗凝固作用を減少させた低分子ヘパリンの使用を検討している。
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