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胆石形成機序に関する結石内細菌の分子生物学的解析と新しい胆石分類の提唱

研究課題

研究課題/領域番号 11770703
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 消化器外科学
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

大西 博信  和歌山県立医科大学, 医学部・第2外科, 助手 (40264882)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード胆嚢結石 / 細菌 / PCR / シークエンス / 分子生物学 / 16SrRNA
研究概要

胆嚢結石の成因は胆石の種類によって大きく異なり,ビリルビンカルシウム石は胆道感染と密接に関係し,E.coliやK.pneumoniaeの細菌性β-glucuronidaseによって形成されるが,コレステロール胆石は胆汁中コレステロール過飽和によるコレステロール結晶の析出によるもので,胆道感染と関係はないと信じられてきた.
本研究は,胆汁や胆石に対してpolymerase chain reaction(PCR)を駆使して胆石内細菌の存在を証明するとともに,シークエンスを行って細菌の種類をも同定することによって,胆石形成機序を新しい観点から考察することを目的としたものである.
1.ビリルビンカルシウム石86%,黒色石35%,純コレステロール石57%,混合石60%の胆石内に細菌DNAを認めた.特にいまだ報告がない純コレステロール石にも胆石内細菌が57%も存在することを初めて明らかにした.
2.胆石PCR陽性であったビリルビンカルシウム石26,黒色石6,純コレステロール石12,混合石9に対して,PCR産物である16S rRNAの塩基配列の決定を行うことによって菌種を同定した.塩基配列の解析結果は,日本DNAデータバンク(DDBJ:DNA data bank of Japhan)の既存遺伝子情報との一致部位を比較して菌種決定した.その結果,ビリルビンカルシウム石にはE.coli,K.pneumoniae,Enterobacter,Clostoridium,Bacteroidesなどのグラム陰性桿菌や嫌気性菌が検出された.しかし,純コレステロール石の中心部からはStreptococcus42%,Staphylococcus17%,Enterococcus17%とグラム陽性球菌を76%も認め,大きく傾向が異なることを初めて明らかにした.
以上より,本研究は,分子生物学的手法を導入することによって胆石形成機序を新しい観点から考察することが可能となり,コレステロール胆石の形成機序にも細菌が関与している可能性が示唆され,胆石の治療におおいに役立つものであると考えられた.

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 川井学: "胆嚢結石の種類と胆石内菌種の関連性に関する臨床的研究"胆道. 14巻・5号. 417-427 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 大西博信: "急性閉塞性化膿性胆管炎の治療方針"和歌山医学. 49. 67-74 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 内山和久: "胆内結石症の疫学-病型別治療の実際"消化器外科. 21(9). 1423-1430 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 内山和久: "日本人胆石の特徴と無症状胆石"胆と膵. 19. 275-278 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 内山和久: "胆管結石症"医学と薬学. 40(5). 845-849 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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