研究課題/領域番号 |
11770730
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
吉田 和弘 川崎医大, 医学部, 講師 (10220633)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Dahlラット / 慢性膵炎 / 高血圧 / 結節性多発性動脈炎 / ACE阻害薬 / Ca拮抗薬 / 虚血性膵炎 |
研究概要 |
膵虚血が臨床的、実験的にも慢性膵炎の成因として注目されてきているので、遺伝性高血圧ラットで食塩感受性が亢進し、早期に著明な高血圧を呈するDahl食塩感受性(DS-S)ラットを用いてその膵病変を検討すると共に、降圧剤を投与して膵病変に対する発症抑制効果を観察した。5週齢の雄性DS-Sラットを用いて6週間8%食塩食を投与するのみの対照群と、食塩食と同時に降圧剤として作用の異なるACE阻害薬(0.001%Trandolapril)と、Ca拮抗薬(0.2%Verapamil)を飲用水として6週間投与する治療群を作製した。経時的にTail-Cuff法による血圧測定を行い、11週齢にて屠殺し膵の病理組織学的検索を行った。結果は、5週齢のDS-Sラットの収縮期血圧は126±10mmHgであり、11週齢の対照群では219±23mmHgと有意に高血圧を呈した。一方、11週齢のTrandolapril投与群では156±10mmHg、Verapamil投与群では164±10mmHgと対照群に比して有意に低値であった。膵病理組織学的検索では対照群では、膵腺房細胞萎縮、変性、間質の浮腫、炎症細胞浸潤、膵内動脈の結節性多発性動脈炎の所見が高頻度に認められたが、治療群ではいずれの所見も軽度か、全く認められず有意に膵炎と結節性多発動脈炎の発症が抑制された。すなわち、DS-Sラットに8%食塩食を投与すると高血圧の発症と膵炎と血管炎が認められたが、降圧剤の投与により高血圧の発症が抑制され、膵炎と血管炎の発症も抑制された。以上より、膵内動脈の血管炎による膵虚血を降圧剤が予防する事により膵炎の発症が抑制されたと考えられた。
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