研究課題/領域番号 |
11770785
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
川崎 敏 岩手医科大学, 医学部, 助手 (70195072)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ケタす / 平滑筋 / phospholipase C / アメフラシ / カリウム電流 / ドーパミン / ケタス / イプジラスト / G蛋白 / カリウムチャネル |
研究概要 |
ウシ中大脳動脈標本を使った等尺性収縮実験を行い、血管平滑筋収縮に対するケタスの効果を調べた。ET-1,PGF_<2α>、5-HTによる平滑筋収縮は、ケタス(40μM)の前投与によりいずれも著しく抑制された。一方、高濃度のK^+(40mM)で引き起こされた収縮に対してはほとんど効果がなかった。これらの結果は、ケタスの作用部位がCa^<2+>濃度増大より上流にあることを示す。上記の平滑筋収縮物質の受容体はG蛋白とそれに続くphospholipase C(PLC)を活性化し、IP_3を産生してCa^<2+>ストアからのCa^<2+>放出を引き起こすと考えられているので、ケタスの作用部位は受容体、G蛋白、PLCあるいはIP_3受容体のいずれかであろうと推測される。 細胞内情報伝達機構の実験が容易なアプリシアの巨大神経細胞を使って電気生理学的にケタスの作用部位を検討した。PLCの活性化が介在するドーパミン(DA)受容体刺激によるK^+電流応答を指標とした。ケタスはDAのK^+電流応答を顕著に抑制した。また、受容体刺激をせずに、その受容体とcoupleしているG蛋白を直接活性化して発生させたK^+電流応答も、ケタスによって著しく抑制された。これはケタスの作用部位が受容体でもG蛋白でもないことを示唆する。また、G蛋白とPLCを介さずにK^+電流を発生させるいくつかの伝達系に対してケタスは全く効果がなかったのでK^+チャネルを直接ブロックしているのではない。したがって、今回の研究によりケタスは血管平滑筋において、PLCあるいはIP_3受容体を阻害して平滑筋収縮を抑制することが示唆された。
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