研究課題/領域番号 |
11770786
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中 大輔 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80290914)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 磁気刺激 / 筋萎縮性側索硬化症 / 脳磁図 / 聴覚誘発脳磁場 / 睡眠 |
研究概要 |
ヒト随意運動の発現メカニズムの解明に脳磁図を応用するにあたり、その基礎的研究の一環として経頭蓋大脳磁気刺激を用いて、随意運動発現時のヒト大脳皮質一次運動野でのcorticomotor excitabilityについて検討した。対象は健常人10名(男性4名・女性6名、平均年齢37歳)と筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者10名(男性5名・女性5名、平均年齢57歳)とした。頭皮上から左側の手の運動野(Czから外耳孔側5cm)を磁気刺激(刺激強度はmean thresholdの1.25倍)し、右のfirst dorsal interosseous muscle(FDI)から運動誘発電位(MEP)を表面電極で記録した。この時、記録されたMEPのfirst response(=direct wave;FR)の面積(negative areaとpositive areaとの面積和)と、これに引き続き連続的に記録されるsecond responses(=indirect wave;SR)の面積について比較検討した。健常人群およびALS患者群で、FRとSRの比(FR:SR)を計測したところ、健常人群におけるFR:SR値は1.04であった。一方、ALS患者群におけるFR:SR値は1.99と高値であり、これは統計学的にも有意な差(p=0.0005)であった。この結果は、運動野が興奮した際、まず錐体路を下行するinitial corticomotor descending volley(=FR)に引き続いて連続的に発生するrepetitive motorneuron firings(=SR)が、ALS患者では健常人よりも高頻度に生じているということを示唆する結果であった。以上より、ALS患者では、大脳皮質レベルあるいは脊髄レベルにおけるmotorneuronが、健常人よりも高頻度に発火していると考えられた。
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