研究課題/領域番号 |
11770816
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
井上 雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00297368)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 細胞骨格系 / CDEP活性型変異体 / 軟骨細胞 / 軟骨分化 / 細胞骨格 / Rho GEF / GDP / GTPヌクレオチド交換活性 / 癌遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、新規のヒト低分子量G蛋白質調節因子CDEPの機能を明らかにするとともに、CDEP遺伝子の活性型変異体を作成し、その病的意義についての検討を行うことを目的としている。 我々がクローニングしたCDEPはその単離した過程から、軟骨細胞の分化状態と形態の維持に極めて重要な役割を演じていると思われる。この新たな因子の機能を明らかにすることは細胞の高次機能のメカニズムの解明につながり、さらにその機能を活性化あるいは抑制することにより細胞の分化誘導や増殖を調節することが可能となれば、脱分化した細胞の制御に結び付くものと思われる。 先ず、CDEPのDHおよびPHドメインを含むcDNA断片をpV-IKSベクターに組み込み、sf9昆虫細胞に感染させ、リコンビナント蛋白質を発現させた。次に、その精製を試みたが、不溶性であり、GDP解離反応の実験には未精製のcell lysateを用いて行った。 CDEP遺伝子のもつがん化能については、5'側を欠失させたCDEP cDNA断片をpSVL発現ベクターに組み込み、NIH3T3細胞に導入してトランスフォーミング活性の有無を評価した。その結果、約3週間で単細胞層上に重層のコロニーを形成し、しかもコロニーを形成する細胞は、トランスフォームした細胞に特有の円形または紡錘形の形態を呈していた。 以上の結果から、5'側を欠失させたCDEP cDNA断片か、NIH3T3細胞を悪性形質変換させたことから、癌遺伝子として機能しうる可能性も示唆された。将来的には、CDEPの機能を活性化あるいは抑制することにより、細胞の分化誘導や癌の増殖を制御することが可能になるのではないかと考えている。
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